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2007年5月16日 (水)

お母さんのためのフットショー講座7

今日は「クライフターン」です。

「クライフ」とはオランダの生んだ天才プレイヤーJohan“FLYING DUTCH MAN”Cruyffのことであります。

私世代で何かにつけ背番号14を好む方はこのクライフを意識している方が大半ではないでしょうか。というよりそうに違いありません。

このターンはボールを軸足の後ろに通してターンするもので現在では基本中の基本の技です。

Img_1719 Img_1720 Img_1721_2

写真は右サイドの突破を図る48番(アメリカ人です!)が切り込みを許さないように並走してくるDFをクライフターンでかわすシーンです。左から1,2,3と来て、

Img_1722

このように相手をかわしていくターンです。

うちの息子にも教えてましたが、1年生のころの彼は「クライフ」と言えず、何度教えても「ふらいく」になってしまっていましたが、2年生に進級した今はちゃんと言えるようになりました。しかし、クライフが誰だかは知りません。

我が家では息子が小学校にたくさんいるサッカー少年たちと話が合うよう、まずは「ロナウジーニョ」と「中村俊輔」を教えました。そしていよいよ本丸に入っていこうということで、最近は私がNHKで収集した記録DVDを見せながら畏れ多くも「マラドーナ」を教え込んでおります。

学校で「おまえ好きな選手誰だよ?」って友達に聞かれたら「マラドーナ」と言うように訓練しており、まかり間違っても「イチロー」って言うなよと厳しくしつけております。

今では息子もだいぶフェイントを覚え、練習では2~3種類できるようになってきました。しかし、ゲームになるとドラッグターン(足の裏を使う引き技ですね)ばっかりやるので、シュートを打ち込むべき相手ゴールからどんどん後退していくのであります。でも、「まぁいいか」と放っておいてます。

以前の見聞録で書きましたが、うちの息子は高校生の皆さんからは相当影響受けてます。技術だけでなく「声」とか目の前で見ることができる利点からサッカーの持つ「迫力」や「格闘性」も学んでいるようです。

最近は彼も忙しく、なかなか私とスケジュールが合わないので取材には親父1人で行くことが多いのですが、昨年はほぼ毎回一緒に行って、すぐ目の前で起こる数々の感動的シーンを見ていました。

今ではオフサイドも一定レベルまで覚え、サッカーのルールもほとんど理解できてきているので楽しくて仕方がないみたいですね。だから、あんまりやんや言わないようにしています。

次に取材に行くときは久しぶりに連れて行こうと思っています。カメラを手にして怪しいカッコした子供連れのおっさんがいたらそれは九分九厘私である可能性が高いです。でも、顔を見られるのは本当に本当に恥ずかしいので、できれば「あいつがくまぜみだな」と心でつぶやいてそっとしておいてください・・・

全く講座になっておらず独り言になってしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます。

2007年3月20日 (火)

ヘッドコーチ昇格???

先日、私がにわかコーチしている少年サッカークラブで来期(4月以降)の体制について話し合いが行われ、なんと私が低学年(1、2年生)担当のヘッドコーチになることになってしまいました!

にわかコーチで気楽に・・・なんて考えていた私はえええ!!!となりましたが、何か意見を言えるはずもなく、お引き受けすることになってしまいました。

私の天から与えられたミッションは『高校サッカーにフォーカスし、「自分の目」で隠れた逸材を探しながら選手、ご父兄、指導者の方々を応援していく』ことでして、指導者としてきっちりやることは全く持って予定外でありまして、新人戦(関東予選)開幕前の3月にこのような大きな出来事が起こってしまっていささか困惑しているのであります・・・

しかし、引き受けたい以上かわいい子供たちの大切な時間を無駄にさせることはできませんので、一生懸命、真剣にやろうと思っています。本ブログの主題との兼ね合いは難しいところもありますが、私の天から与えられたミッションをおざなりにはできませんので、こっちも昨年以上にがんばりたいと思います。

でも、思うに子供の成長というのはすばらしい感動がありますね。

Img_1199 うちの息子もうまくなったもんで、練習用に与えたリフティングボールでこんなこともできるようになりました。

サッカースクールでの練習が終わった後も家に帰してくれず、必ず公園で“アトレン”です。

私もヘッドコーチに“昇格”してしまった以上、もう一度原点に返って指導教本を読み直したり、ビデオをみたりして復習しようと思います。

あと、ちょっとだけ触れますと、この見聞録のファンの方からもいくつか要望としていただいておりました動画配信についても、4月よりトライアルで始め、インターハイ前にはちょっとした事業になるようなことも考えております。

もしそうなったらファンの皆様、どうぞ応援よろしくお願いします!

2007年2月20日 (火)

お母さんのためのフットショー講座6

今日は“落ちるフリーキック”です。

“落ちるフリーキック”と言えばヴィッセルの三浦(淳)選手のフリーキックが思い浮かびますが、そのメカニズムの解説はインパクトの瞬間にフォーカスされているケースが多いですが、ここではキックの姿勢にフォーカスしてみたいと思います。

写真はとあるゲームの風景で偶然出くわした場面に無心でシャッターを切ったものです。

Photo_182 Photo_183

Photo_184

上の3枚までは普通の感じです。左腕を大きく振ってバランスをとり、しっかりインパクトしようとしています。

しかし、この後、ボールは全く回転せず、壁を越えてゴール右隅へ速度を保ったまま落ちていきました。落ちすぎてGKの手の届くところに行ってしまい、ゴールにはなりませんでしたが、すごい弾道でした。

インパクトの瞬間は以前テレビ番組で高性能カメラのスロー映像で解説されたのを見たのでなんとなくわかるのですが、キックの瞬間のこの選手の姿勢にもヒントがあるような気がしてきました。それが下の写真です。

Photo_185 Photo_186

このようにインパクトの瞬間に直立ないし反り気味になるのではなく、前かがみになっているのが何やら一つのポイントのような気がします。

前にかがむと足の甲が伸びきりにくくなりますので、ボールを擦る可能性が低くなります。重心を後方に移動させずに意識してやや前方に移動させることでインパクトの瞬間の「擦り」防いでいるのではないでしょうか。

いずれにしましても上の右の写真の通り、ボールは全く回転せず、しかも壁の一番低いところを見事に射抜きました。

野球でもホームランバッターはややバットの芯の下側でボールを捕らえ、ボールに逆回転をかけて遠方へ飛ばしますが、バットの真芯に当たるとライナーになってホームランにはなりにくいですが守備側には捕球しにくい高速の打球になりますよね。

現在のサッカーで「セットプレー」は有力な得点源ですが、もちろんピッチの状態にもよるもののFKの位置や壁の位置によって多様な弾道のキックを蹴ることができるというのは有力な武器になります。

こういった技術は反復練習の賜物でしょうね。

私は全くもって反復練習はしてませんが、今度のシニア戦でカッコだけでもトライしてみます。

2007年1月19日 (金)

お母さんのためのフットショー講座5

早いもので全国高校サッカー選手権が終わって10日も過ぎてしまいました。

今日の講座は息子さん、娘さんがFWをやっているお母さんに見てもらいたいです。

教材は先の全国選手権決勝の盛岡商業vs作陽から、一躍全国区になった盛岡商業11番林選手にお借りします。

Vs_2 Vs_3 Vs_5

【写真上左】盛岡商11番林選手が敵陣バイタルエリアをドリブル突破を仕掛けてます。ペナルティエリア付近で前が空いていたならば、スピードを生かしてゴールに向かって突破を図るのはFWの重要な仕事です。というよりこういうことが体に染み付いていないFWは相手にとってさほど脅威にはなりません。作陽DF堀谷選手はボールを奪うか奪えなくても最悪ゴールから遠ざけるため体を寄せていきました。そして後ろの3番石崎選手は林選手も9番成田選手も両方視界に入れ、堀谷選手が振りきられても成田選手にパスが出ても対応できるポジションをとっています。

【写真上中】作陽DF堀谷選手がうまく林選手とボールの間に肩を入れることに成功しました。私もFWだったので多少わかるのですが、こうなるとFWはきついです。私なら左足のアウトサイドでボールを止め、この突破の戦いをあきらめたことでしょう。でも、止めたら相手守備陣形はあっという間に整うため、再び周囲を観て何がしかの判断をしなければならなくなるので時間をロスします。そうこうしているうちに相手の網に引っかかってボールを奪われていたでしょう。しかし、盛商林選手は右腕をうまく使いながら体幹を傾けず、肩以上すなわち体自体を入れられることを阻止しています。もちろんボールを保持してスピードを保ったままです。ここが大切なところです。FWは淡白な選手では務まりません。

【写真上右】そして、林選手は肩を入れられた堀谷選手を強靭な体とスピードで振り切ります。これは体幹※1が強くないとできません。小柄ですが盛岡商業で、しかも2年生でFWのレギュラーというのは豪雨の八千代戦での正確無比な左足コーナーキックのような技術もありますが、こういうプレーもできるからなんですね。納得です。肩を入れたのに前へ行かれた堀谷選手はとっさに林選手の右腕を左腕で押さえて止めるしかありませんでした。ここで振り切られると作陽DF石崎選手が突破に備えているとは言え、1対2という極めて危険な場面になるからです。

Vs_6 Vs_7Vs_10

【上の3枚の連続写真】

結果的に右腕をホールドされた林選手はさすがにバランスを崩し、ピッチに倒れてしまいました。一番右の写真で主審が左手でホイッスルを口に持っていったとおり、これはファウルとなり、盛岡商業が直接FKを得ました。一度トップギアに入ったらファウル気味でない止められないような選手って怖いですよね。強くて、速くて、何するわからないFWが最も嫌がられるのだと思います。仮に突破を防いでもFKというチャンスを与えてしまう可能性が大きいですからね。

FWは創造的プレーの幅が他のポジションより広く許されていますが、許されている分、ワンパターンではない決定的な仕事をしなければなりません。そう考えるとFWはまず前提として強い体幹、速い足と持久力が必要です。そして正確なキックとイマジネーションです。あんまりいい言葉ではないですがやられたらやり返すくらいの向こうっ気も欲しいですね。

最後に私の好きなフォワードをイメージして一句

前線で飛んで地を這うねこいたち※2

※1胴体のこと。胸や背中、腹部、腰周辺など、背骨や骨盤を支え、身体の重心を保つ重要な筋肉がたくさんある。

※2マングースのこと。猛毒をもつヘビに対しても果敢に攻撃を仕掛けるなど攻撃的で知能も高い。害獣。

2006年12月19日 (火)

お母さんのためのフットショー講座4

師走ですね。ちょっと仕事が立て込んでしまって、ブログの更新がおろそかになってしまいました。すみません。

さて、久々のフットショー講座です。今日は再度シザースフェイントについて勉強しましょう。今回は複合型です。「そんなことぐらいあたしだって知ってるわよ」とは言わないでお付き合いください。何せ私のカテゴリでこのフットショー講座がもっとも難易度の高いコンテンツなのですから。と、言いますのもシザースをキャプションつき連続写真でご紹介するだけなら友達に頼んで空き地で実演してもらって撮ればいいのですが、私は「実戦」の「どういった局面」で「その技が繰り出されるか」というリアリティにことのほかこだわっているからなのです。

したがいまして私の取材は①ゲームの戦評をメモりながら、②ゴールシーンなどいい場面を撮影し、③FAVORITE PLAYERを探して撮り、④フットショー講座の構図をイメージしながらネタを撮る、という四役をこなすわけであります(これ、かなり難しいです・・・)。

私の能書きはこれくらいにして本題に入ります。教材は選手権準決勝の修徳vs国士舘戦から国士舘11番の選手の左サイドの局面打開の場面を使用します。

Photo_89 Photo_90 Photo_91

まず、相手と対峙しましたら、自分の「抜ける」間合いを計ります(写真上左)。次に大きく右足を上げ、マシューズで右に行く振りをします(写真上中)。このアクションは大きいほうが効果的です。そして右のアウトサイドに当てると見せかけて内側から外側にまたぎます(写真上右)。

Photo_92 Photo_93 Photo_94

そしたらまたいだ右足に重心を乗せてしっかり踏み込み、左に行くと見せかけます(写真上左)。そこで素早く重心を左足に移動し、右足のアウトサイドでしっかりボールを捉えます(写真上中)。最後に瞬間スピードを上げて相手の右側を抜けていきます(写真上右)。

でも、この場面はゴールから離れていく右側より左側(タテ)に行けたらよかったかもしれませんね。修徳4番の選手(国士舘11番の選手と対峙している修徳DFの後ろ、原選手)が比較的距離を空けて右側の突破に備えているフシがあったからです。ここでタテに抜いて置き去りにすると、修徳4番原選手がカバーに入って来ざるを得ず、するとたぶんですが原選手が引き付けられた分、ゴール前に国士舘の2列目の選手が飛び込むスペースができ、そこへこの11番の選手から早い弾道のパスがゴロで供給されますと合わせるだけで得点になる可能性が高かったとも考えられるからです。

しかし、静止画をゆっくり観ながら結果論を講釈するのはこれくらいでやめときます。この場面で国士舘11番の選手が右側を抜く方がベストと判断したには何がしかの理由があるはずで、外野専門の私なんぞにあれこれ言われたくはないはずだからです。

以上、シザースフェイントでした。

2006年10月27日 (金)

お母さんのためのフットショー講座3

相手を抜く~1対1の局面でフェイントなどを使って相手を抜き去り突破するメカニズム~

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10月22日に行なわれた選手権東京都大会Bブロック準々決勝の東京朝鮮vs大東大一のゲームから私のイチオシの大東大13番の選手の突破シーンで説明します。

写真左まず対峙したこの場面、大東大一13番の選手は相手DFの足を見ながらjボールを間接視野※1に入れて足元にキープし、シザースフェイント※1を仕掛けようとしています。大東大一13番の選手が自分の足の動きを観ていることがわかっている東京朝鮮DFは、不用意に飛び込むとかわされるため、ボールが大東大一13番の選手の足元から離れる瞬間にすぐアタックできるよう距離を保っています。もし大東大一13番がボールキープに精一杯でボールばかり見ていたら、①の場面前にボールを奪われてます。

写真中大東大一13番の選手がは右足を内から外へまたぐシザース※2をかけます。このようにシザースはボールをまたぐわけですが、このまたぐ際にボールに触れてしまうと当然ボールが動いてしまいます。この場合は内から外へかけていますから、右足がボールに触れてしまうとボールは写真手前側に動いてしまい、アッという間にDFに体を寄せられてしまいます。ここでも大東大一13番の選手はしっかりシザースかけながらも相手の腰から下の部分をきちんと観ています。

写真右そしてこのシザースフェイントにひっかかった東京朝鮮DFが写真手前側に大きく上半身のバランスを崩します。相手の腰から下の部分をきちんと観ていた大東大一13番の選手は左足のアウトサイドを使って逆側(写真向こう側)に抜けるべく右足から左足へボールを移行させていきます。

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写真左写真手前側に重心が動いてしまった東京朝鮮DFは逆をつかれて体制の立て直しに入りますが、この場合重心が右足にないと立て直せませんので、重心の移動を行なわなければなりません。ここで「遅れ」が生じます。逆に大東大一の13番の選手は写真向こう側に踏み出すためにしっかり右足で地面を蹴り、ボールも逆のスペースに動かしています。実質上、これで勝負アリです。

写真中東京朝鮮DFが立て直して上半身を起こしたときにはすでに大東大一の13番の選手は逆をすり抜ける過程に入っていて、ボールもスペースへ運び出されています。まだ重心が左足に残っている東京朝鮮DFはもはやボールにアタックすることはできません。

写真右このまま大東大一の13番の選手は東京朝鮮DFを抜き去っていきますが、東京朝鮮DFは抜かれたものの結果的に写真向こう側に抜かせて離れずに並走したので、この後大東大一の13番の選手はシュートを打つことができず、ゴール前ややマイナスめにいた見方へのパスを選択しました。手前側を抜かれると一気にゴールニアポストまで行かれ、ニアサイドにシュートを打たれたか、もっと危険なマイナスのパスを出されて失点に繋がっていたかもしれません。ただし、この場面で手前側へ抜き去る場合はスペースの少ないところに行くことになりますので、完全に置き去りにしないと再度体を寄せられてゴールライン外に体ごと押し出される可能性もありました。よって、相手が鍛えられた東京朝鮮だったことを考えるとゴールにならなかったもののフィニッシュまで行ったこのプレーは正しかったと思います。

ちなみにこのプレーは正味2.5秒~3.0秒くらいの出来事だったと思います。

こういった局面を個人の力で打開することはとても大切です。ゴールデンエイジ(小学生中学年~高学年)で足元のボールを間接視野に入れて相手や周囲の状況を観る能力とマシューズ※3、シザースといったフェイントの技術は一定レベル以上習得しておかないと、都大会準々決勝に残るようなチームでレギュラーになるのは難しいのではないかと思います。

  • ※1 意識して見ようと焦点を当てているものの周りに見えるもの。
  • ※2 ボールを内側から外側にまたいで相手を動かし、その逆を抜くフェイント。シザースとは「鋏」。
  • ※3 左(右)に行くと見せかけて左足(右足)を大きく踏み込み、右足(左足)のアウトサイドで素早く右(左)に押し出して抜くフェイント。このフェイントをよく使っていたイングランドのスタンレー・マシューズからその名がついています。

2006年10月17日 (火)

お母さんのためのフットショー講座2

間合い ~自分と相手の距離、空間のこと~

ボールを保持する方もしていない方も、この空間をいかに使うかで次のプレーの有効度が変わってきます。一流の選手には「自分の間合い」があり、彼らはこの「自分の間合い」でいろいろな駆け引きや心理作戦を使ってプレーします。写真は選手権埼玉県大会二次リーグの西武台高校vs浦和西高校のゲームで、後半も半ば過ぎでの場面です。10051_1 10152  10153_1 10154

(写真のNOは左から数えての番号です)

写真1:守備陣からボールを受けた浦和西10番の選手がドリブルで上がっていきます。西武台25番の選手は中に切り込まれますと一気にバイタルエリアまで突破される危険があるので、間合いを計りながら画面右側のサイドに押し込もうとしながらも、ボールを奪いにいける距離を保っています。一方、浦和西10番の選手はこの場面では左サイド(画面右方向)にパスを出してもタッチライン際に追い込まれ、屈強な西武台DFにボールを奪われる可能性が大なので、ピッチ中央に行こうと考えています(体の向きを中側にとっていますね)。この判断のもと、浦和西10番の選手はこの25番が当たりに来たところをかわそうと間合いを計っています。

写真2:「今だ!ボールを奪える」と判断した西武台25番の選手が当たりにいきました。この当たり方も決して足先だけで突っつこうとするものではなく、きちんと体を寄せながらいっています(このあたりの一見些細で細かいことも強豪校は極めて高い確率の再現性をもってできるんです)。しかし、浦和西10番の選手は待ってましたとばかりに右足のアウトサイド(足の甲の外側)を使って行きたかった方向に切り返します。土ぼこりからもこの浦和西10番の選手も軸足(左足)を踏ん張り、急な角度の変更にも耐えうる体制をきちんととっているのがわかります。

写真3そして浦和西10番の選手がこの間合いにおける駆け引きに勝ち、見事にかわして行きたい方向に行きました。ただ、見逃してはならないのは浦和西10番の選手のサポートに入ろうと13番の選手が上がってくるところを、西武台の13番の選手も並走して戻ってきており、浦和西に数的優位を与えないようにしているところです(この場面でもし西武台13番の選手がサボって戻らないと西武台25番の選手は相手と1対2という形に陥り、ボールを奪える確率は極めて低くなります)。つまり西武台13番の選手は浦和西の10番の選手に25番の選手との1対1を選択せざるを得ないようにしたのです(これもプレッシャーです)。この場面は後半の後半でしたから疲労もあったと思いますが、強豪校はこういうところもサボらないできっちり繰り返し繰り返しやってくるんです(やられた方はたまったもんではありませんが)。

写真4体ごと当たりに行っていた西武台の25番の選手は完全にかわされてしまいました。浦和西の10番の選手はかわした後もすぐに顔を上げて中央にスペースができていることを確認(Catch)し、ドリブルを選択(Decision)して、突破を仕掛けていきました(Action)。この間合いの勝負は結果的に浦和西の10番の選手が勝ち、確かこのあとそのままバイタルエリアまで進入し、シュートまでいったと記憶しています。

このようにサッカーでは間合いを駆使して対峙する局面がけっこうあり、この間合いの勝敗が攻撃側が決定的場面を作ったり、守備側が決定的場面を防いだりといったシーンの一つの根拠になっているケースが多いです。

ゲームを見るとき、すごいスピードで突破したり、激しいタックルで突破を防いだり、はたまたダイビングヘッドやものすごいミドルシュートが決まったりといった場面だけでなく、そこに至るまでの過程でこの間合いの場面に注意して観てみるのもまた違った角度からサッカーを楽しめると思います。

写真を掲載させていただきました浦和西高校も埼玉県大会で何回も決勝に進んだこともある名門ですが、このゲームは下記のような結果になってしまいました。逆にこれくらい今年の西武台高校は強いということです。それにしても埼玉大会のパンフレットは出来栄えが美しく、後々も思い出に残るような作りであるにもかかわらず東京のそれより200円も安いです。さすがサッカーどころは違う!

2006年10月15日 (日)

公認指導者研修2006(10/9)

先日、公認指導者研修with全日本ユース決勝でも書きましたが、後半のテーマだった「ユース育成」について、いただいた資料にオシム語録(本文中の『』内)を記したページがあったのですが、それがとても示唆に富むものでしたのでそのページをご紹介します。実際のJFA公認指導者研修で使用されたものです。

『指導者は選手の未来に触れている』

■指導者のポリシー・指導者のあり方・・・Players first

■ゲームは子どものもの  指導者の「チェス」ではない

『サッカーのコーチは学校の先生より2倍難しい』

■大人は手助けをする・・・①選手の技術を向上させられる(年代に応じた指導→長期一貫指導)②育成の指導者は教育的であること(選手を自立させる)

『自分たちが良いプレーをして前進する戦術は正統派』

■育成年代・・・①自チームの選手に目を向け、分析し、働きかけることの重要性を忘れないこと②相手の良いところを潰し、スコア上で勝つことを狙う戦術を採用したら、戦術的な進歩はない

『育成のサッカーはしつけ』

秩序と自由・・・意見を言う(自己主張)⇒言ったことに責任を持つ(自己責任)⇒全ては思い通りにならない(秩序の中での自由)

『学ばない子供は知らない大人になる』

■理不尽を楽しめる≪U14≫・・・①「理屈」と「理屈じゃない」それがサッカーであり人生②秩序、それに伴う理不尽さに耐えることを学び始める時期

■理不尽を楽しめる≪U16≫・・・①大人のサッカーの入り口(全て要求され始める)②心身ともに闘える選手に

そして、まとめの一発はこれです。

『勝つ事と育てる事は矛盾すると同時に矛盾しない。コーチはその矛盾の間に生活している』

2006年10月11日 (水)

お母さんのためのフットショー講座1

私はカメラが趣味なので、余計なお世話ですがゲーム観戦などでその技術が表現されたシーンを撮影できたら、それ活用し、サッカーをやっているお子さんのいらっしゃるのお母さんのために解きほぐしてみたいと思います。

スクリーン ~自分の体を相手とボールの間に入れること~10082

【ポイント】

  • 半身になって相手から遠い足でキープする
  • 立ち足は膝を曲げ柔軟に保つ
  • 相手の動きを確認するために腕(両方)を使う

このようなポイントの他にアドバイスとしてはあまり動かない方がいいです。動き回っていると相手にボールを奪う機会を与えてしまう可能性が高いです。

写真は国士舘自陣右タッチライン際の場面です。ここで国士館がボールを奪われると大ピンチになるところでしたが、この後国士舘の選手は横河の選手にボールを当てて外に出し、スローインを得る判断をしました。サポートがやや遅かったので、一度プレーを切ったんですね。

このプレーが表出するのは写真のようにライン際などの端っこが多いです。なぜなら写真のようにラインの向こうはピッチ外のためライン側から相手に突っつかれることがないからです。スクリーン技術が高いとボール保持する時間が多く持てますから、詰まった局面でも仲間のサポートを待つことができます。ただ、腕を使わないで足先だけでやろうとすると体を強く寄せられてバランスを崩され、すぐにボールを奪われてしまいます。ゲームでこのシーンに出くわしたら、立ち足の柔軟性だけでなく、両腕の使い方を観てみるのもその選手の技能を推し測る上で有効なポイントです。

ボレーシュート ~ボールを地面に落とさずに放つシュート、浮球を打つシュート~1008

【ポイント】

  • ボールをよく見る
  • (ボールの)コースに入る
  • ボールの高さに合わせて上半身を倒しながら蹴り足を振り上げる
  • 足の甲(インステップ)でミートし、膝から下の部分を振り切る

写真の場面は、キーパーがはじいたがボールがゴール正面にいた写真選手の前に浮いた状態できたところを、そのままダイレクトでボレーシュートを打った直後のものです。シュートは惜しくもゴールポストに当たってしまいましたが、上半身を倒す側の反対側に両腕を振って体の傾斜を整え、見事にミートしました。、軸足も膝を使ってやや曲げ、決して伸びきっていません。

ボレーは空中のボールを瞬間的に正確にミートするものですので、技術が足りないと上へふかしてしまったり、空振りしたりします。しかし、たいがい瞬間的な場面で放たれるためゴールキーパーが全く反応できないことが多く、きっちりミートされた速い弾道となれば、多少コースが甘くても得点になりやすいです。しかも、ダイナミックなので観ている者を驚嘆させます。ゲームでこのシーンに出くわしたら、上半身の倒しと軸足の柔らかさをチェックしてみてください。軸足が伸びきっていたり、上半身の倒しが浮球の高さと合っていないと十中八九ミスキックになります。

※写真は10月8日に行われた横河武蔵野FCと国士舘大学の練習試合です。

2006年10月 9日 (月)

公認指導者研修with全日本ユース決勝

本日、JFA公認指導者研修があり、そのカリキュラムとして高円宮杯全日本ユース(U18)サッカー決勝の試合視察があり、埼玉スタジアム2002にて観戦しました。

研修のカリキュラムは、

  1. 10:30~12:00 講義
  2. 13:00~15:00 試合視察

となっていまして、講師はJFAナショナルトレセンコーチの布啓一郎さんでした。市立船橋高校を4度の全国選手権優勝に導いた言わずと知れた名指導者です。

講義はまず前半が「2006ドイツワールドカップのテクニカルレポート」でした。ベスト8のうち6ヶ国が優勝経験国であったことをあげ、2006大会を強豪国の2002からの巻き返しの大会であったと位置づけ、チーム全員に高度な技術・闘う姿勢・ハードワークが求められ、もはや何かを免除されるスーパースターは存在しない「甘えの許されないサッカー」に進化しているとしました。守備をしない攻撃型スター選手の穴埋めを「汗かき選手」がするようなサッカーでは全く通用しないということです。

また、得点に要した時間が10秒以内だったケースが2002年の53%から34%に激減し、また得点に要したパスの本数が3本以内だったケースも2002年の55.1%から41.5%に減少しており、ボールを保持しながら積極的にゲームを支配する攻撃が目立った大会だったそうです。強いチームは速攻させないんですね。ただこれを可能にするのは何も特別な技術ではなく、いたってシンプルな技術(ファーストタッチ、パススピード)なのだとおっしゃっていました。

実際の映像を観ながら布さんが解説を加えていただく形だったので、よくわかりました。取られたら取り返す、危険を察知したらポジション関係なく守備に入る、ここぞと判断したらセオリー無視してでもボールを奪いに行く、足先で行くのではなく体でいく、チャンスとみれば後半20分過ぎでも長い距離を走る・・・早い話が「組織の一員としてちゃんと真面目に一生懸命努力しろ」ってことです。

日本サッカー協会小野技術委員長がJFAニュース9月号で詳しく語られていますが、私もこのスタイルは日本人に合っていると思っている一人です。集団で真面目に努力し、組織のために自分の役割を必死に果たしてきた日本人には、このスタイルは馴染むのではないかと思うのです。逆に今の「ゆとり教育」ではないですが、「個」が全てにわたってものを言う仕組みは日本人にはあまり向いていないのではないでしょうか。

しかし、このチャンスをモノにするには個々にその役割を果たせる能力があることが条件です。この条件とは布さんも言っておられましたが、何も特別なことでない「基本」です。よって少年期の指導者は子どもたちにまず「基本能力」を付与しなければならないということです。そしてその基本には「仲間のために苦しいけどがんばれる」能力が必要なのではないしょうか。

準決勝イタリアvsドイツ戦のデルピエロ選手のゴール。自陣ゴール前まで下がって守備をしていたデルピエロ選手は、自チームがボールを奪い返した瞬間、ドイツが前がかりで守備陣形が整っていないと判断するや否や、チャンスと観て左サイドを一気に駆け上がりゴールを決めました。あれだけのロングランもさることながら、デルピエロ選手が何よりチームメイトを信頼して一生懸命プレーしているところに感動しました。

「俺にパスが出ないかもしれないが、出れば大きなチャンスになるから必死に走る」これを理屈じゃなくて体得してゲームで繰り返しプレーできるようになったらすばらしいことだと思います。

講義の後半のテーマだった「ユース年代の育成」は次の機会に触れたいと思います。

なお、全日本ユース決勝ですが、前半は名古屋優勢でしたが、滝川第二高校は劣勢の中9分にミドルで先制すると後半は中盤を制して優勢に試合を進め、35分に右サイドに引っ張られてバイタルエリアがぽっかり空いた隙を逃さずミドルシュートを決め2-0、42分にはダメ押しのFKを直接決めて結局3-0で滝川第二高校が勝ち、初優勝を飾りました。

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2006年10月 5日 (木)

兵庫国体

兵庫のじぎく国体のサッカー少年の部の結果です。 こののじぎく兵庫国体から、サッカー少年の部はこれまでの高校生限定から「16歳以下」という条件に変更され、なんと中学3年生が出場できるようになったのです。これは育成面を考えると画期的なことです。

[1回戦]

  • 愛媛選抜2-1青森選抜
  • 熊本選抜3-2京都選抜
  • 神奈川選抜6-1香川選抜
  • 岐阜選抜1-0北海道選抜
  • 静岡選抜1-0埼玉選抜
  • 大分選抜2-0島根選抜
  • 大阪選抜6-0長野選抜
  • 千葉選抜1-0広島選抜

[2回戦]

  • 石川選抜3-0山梨選抜
  • 熊本選抜3-2愛媛選抜
  • 岐阜選抜2-1神奈川選抜
  • 沖縄選抜4-2岡山選抜
  • 兵庫選抜3-1岩手選抜
  • 静岡選抜2-1大分選抜
  • 千葉選抜1-0大阪選抜
  • 鹿児島選抜2-1宮城選抜

[準々決勝]

  • 石川選抜2-1熊本選抜
  • 沖縄選抜1-0岐阜選抜
  • 兵庫選抜0-0(PK4-3)静岡選抜
  • 千葉選抜2-1鹿児島選抜

[準決勝]

  • 沖縄選抜2-1石川選抜
  • 千葉選抜5-1兵庫選抜

[3位決定戦]

  • 兵庫選抜4-3石川選抜

[決勝]

  • 千葉選抜0-0(延0-0)沖縄選抜   ※規程により両チーム優勝(千葉は2年連続7度目、沖縄は初優勝)

千葉強し!

千葉はジェフユース、レイソルユース、市立船橋、習志野、八千代、流経大柏あたりのメンバーで構成されているのでしょうね。ちなみに選手権千葉県予選でも東京同様ベスト16が出揃っています。次のカードは、市立船橋vs若松、幕張総合vs千葉国際、習志野vs船橋北、柏陵vs渋谷幕張、八千代vs市立柏、船橋二和vs東京学館、柏井vs中央学院、千葉明徳vs流経大柏、となっています(10/28から)。

それにしても東京選抜も長崎選抜も不在とは・・・

2006年10月 4日 (水)

J1の経営成績(05年度)

売上高

営業利益

営業利益率

入場料比率

千葉

2,722

174

6.39%

16.13%

浦和

5,805

357

6.15%

85.25%

川崎

1,913

97

5.07%

14.48%

F東京

3,168

114

3.60%

25.16%

名古屋

3,720

124

3.33%

16.69%

C大阪

2,311

28

1.21%

16.96%

大宮

2,242

10

0.45%

13.87%

3,874

16

0.41%

13.66%

東京V

3,077

5

0.16%

横浜M

4,822

6

0.12%

19.35%

鹿島

3,156

1

0.03%

21.86%

新潟

2,639

-43

-1.63%

44.90%

清水

3,077

-93

-3.02%

15.24%

G大阪

3,418

-107

-3.13%

14.80%

磐田

3,890

-183

-4.70%

16.81%

広島

2,304

-169

-7.34%

15.02%

大分

1,502

-179

-11.92%

24.23%

神戸

1,876

-1228

-65.46%

23.40%

これは日経産業新聞から抜粋した2005年度J1各チームの経営成績で、単位は百万円です。営業利益率の高いチームから順に並べてあります。

鬼武チェアマン曰く、浦和は投資対効果が高く、新潟は熱狂的サポーターに支えられた入場料収入が高さが好成績を収めている理由とのことです。率商売では千葉です。大きなコストをかけずに若くていい選手をたくさん見出したり育てたりしてきたオシムさん、さすがです。

上表には記していませんが、新聞を見る限りでは営業費用に占める人件費(選手とチームスタッフ)の割合は40%~50%のようで、費用の約半分を人件費が占めていますので、広告宣伝費や販売促進費などのプロモーション費を圧迫しているかもしれませんね。また、純資産と総負債のバランスでは鹿島がダントツによく、逆に神戸は営業赤字も負債も大きくて経営的にはかなり苦しいようです。

こうみますと今期は一部チームが入れ替わっているものの、前期の経営成績と今期の(現在の)順位との整合がとれているのは浦和レッズ、川崎フロンターレで、とれていないのが名古屋グランパスとFC東京と言えそうです。ただ、名古屋もFC東京も将来への投資に回しているのかもしれません。

あと売上高は浦和がダントツですが、特筆すべきはこの売上高に占める入場料収入の割合が85%にも上っていることです。浦和は営業利益も約3.6億ありますので、浦和のみが「出を制する」必要に迫られていないのです。マリノスは48.2億の売り上げで6百万の営業利益(営業利益率0.12%)ですから高コスト経営になっているようですね。マリノスが入場料収入を増やして積極的に再投資すれば1年で優勝争いできます。

プロサッカーリーグがエンタテインメントである以上、強い弱いだけでなく、そんなにサッカーを知らない人でも感動したり熱狂できたりする仕掛けが必要です。どっかで聞いたフレーズですがJリーグは「地域密着型エンタテインメント」ですから、そこはやはり選手各々の出身地や出身校といった地域属性は大事だと思うのです。様々な事情があるのはわかりますが、それにしても地元選手が少なすぎではないでしょうか(ちなみに、ちゃんと数えてませんがFC東京の登録選手みたら外国人を除いた30名のうち東京出身は4名くらいでした)。

これら「おらが選手」にドラマ性を付加してオリジナルコンテンツに創りあげたらどうでしょう。ストーリー創るんです。そしてストーリー&ドラマなら何と言っても高校サッカーですね。そもそも都道府県別の代表校がチャンピオンを争う大会ですから地域性まるだしですし、予選を勝ち抜くまでの過程にもドラマてんこ盛りです。それに何と言っても日本テレビさんがばっちりプロモーションしてくれてます(できれば日テレさんには正月に創り上げたコンテンツ素材を追っかけていただき、一度夏あたりに「選手権、その後」みたいな番組を制作していただけますとなおグッドです)。

Jリーグは14年目を迎えたばかりで、人間で言えばまだ中学生ですから、大学生なみの成績を求めるのはまだ無理かもしれませんが、でもそろそろ本気で考えないと危ない気がします。決して安泰ではないです。

2006年9月20日 (水)

「いい選手」とは

サッカーは手以外の部分を使ってボールを相手のゴールまで運ぶゲームです。

足元にあるボールは次にキックを通じて味方やスペースや相手ゴールに運ばれていきます。運ばなければサッカーになりません。よって自身でボールを保持している場面では、そのプレーヤーは足元のボールを正確に扱うという行為よりも周囲をよく観るという行為に集中する必要があります。じゃないとどこに運べばいいのかわからず、次に進めないからです。

サッカーとは、私が好きな山本七平さんの刊行物から言葉を拝借しますと状況判断⇒決心⇒処置の繰り返しであると言えます。そして、プレーヤーの優劣を判定する基準というのは、ゲーム中に繰り返されるこのサイクルのスピードと精度なのでしょう(あらためて声高に叫ぶことでもないですが)。このサイクルの精度が高いプレーヤーはいいプレーヤーであり、このいいプレーを担保する個人能力として走る速度やボディバランス、ジャンプ力、体幹強度、持久力などがあるのだと思います。「処置」にボールのあるなしは関係ありませんので、このサイクルはゲーム中いたるところで行なわれています。私はこのサイクルについて、高校年代が上位カテゴリーに挑戦する際に最もしっかりと体得しておかなけらばならないものとして『CDA(Catch⇒Decision⇒Action)サイクル』と勝手にネーミングさせていただきます。

なお、付け加えますがサイクルの3番目の「処置」には「作戦」が必要で、「作戦」とは相手の「弱点」もしくは「死角(ウラ)」を突くことであることは言うまでもありません。

なぜ、こんなことを書いているかといいますと、いくつかゲームを取材していていわゆる強豪校とそうでない高校が当たった場合の試合結果は、ほとんどが『CDAサイクル』のレベル差ではないかと感じたからです。

高校生の公式戦なんかを取材しますと、ゲーム開始前の調整練習では、リフティングなどで体をほぐし、その後フリーの状態でのポストシュートやクロスに合わせる練習などが多いですね。リミテッドプレッシャーでやっているところも多少はありますが、ほとんどがフリーでやってますので上手だなぁという感じは掴めたりします。

でもこの練習だけを見ていると強豪校もそうでない高校の子もそんなに大きな技術差が感じられないのです。みんなものすごくうまいです。今やサッカーも底辺が広がり、少年団などで小さい頃から始めた子も多いでしょうから当たり前といえば当たり前なのですが、それにしても本当にみんな上手です。私の時代では考えられません。私の時代は、だいたい強豪校とやるときはゲーム前の調整練習観て「やっぱすげぇや」と思い知らされ、すでに負けてました。

話は戻りますが、このようにフリーな状態での個々の技術のレベルに大差はないのに、試合になると大差になってしまうのは、ゲームになるとその技術が『CDAサイクル』のスピードと精度に活かされないからなのです。フリーではそこそこの技術が発揮できるのに、ゲームだとできないというのはプレッシャーのある状況下や複雑な状況下になるととたんに発揮できなくなるということなのです。

なぜなのかは私にはわかりません。

分析能力の長けた方々にゲームで『CDAサイクル』を速く正確にプレーできる頻度の高い選手について、その幼少期から追っかけてみていただいたり、実際に今どういう練習をしているのかを分析してみたりしていただかないと、わかりません。

ただ、何となくですが幼少期から少年期(ゴールデンエイジ)までの基本技術の習得過程にヒントが隠されているような気がします。

2006年9月12日 (火)

関東大学リーグでプレーするということ

前登録チーム

高校出身

(東京)

クラブ出身

(東京)

関東大学リーグ一部

319

(51)

78

(12)

関東大学リーグ二部

342

(56)

36

(9)

関東大学リーグ計

661

(107)

114

(21)

上表は関東大学リーグのメンバー登録者に限っての出身母体に関する表です。リーグ全体で高校サッカー出身者とクラブユース出身者の比率は一部リーグでは80.3対19.7、二部リーグでは90.5対9.5、リーグ全体では85.3対14.7という構成になっています。

私は東京在住なので関東大学リーグ登録メンバーに占める東京出身者に絞ってみたところ、一部リーグで63名、二部リーグで65名、リーグ全体では129名となっていますので全体に占める東京出身者は約16.6%です。

で、このような構成比を調べたところであーそうなのって感じで終わりになったちゃいますので、東京の高校サッカー出身者にフォーカスしてどのくらいのレベルの選手が関東大学リーグに行っているのか国体選抜をファクターにして調べてみました。

国体東京選抜

国体選抜候補

その他

23

9

96

関東大学リーグに進んだ128名のうち23名は国体東京選抜になっていて、候補まで合わせると32名となり実に25%を占めます。また、関東大学リーグ一部に限っては63名の内27名が国体東京選抜及び候補者ですから42.8%にも及びます。で、余談ですがこの27名のうち中学校の出身者は7名いますが、高校の附属中が3名含まれておりますので実質4名です。その他は全員クラブ出身です。したがってジュニアユース年代は圧倒的にクラブが中学校を凌駕しています。

ちなみに現在の大学1年生~4年生にあたる年代で高校卒業してすぐにプロに行ったのは5名、JFLに行ったのは4名です。この合わせた9名の内5名は国体東京選抜ないし候補でしたが、クラブユース出身者はいませんでした。

こう見ますとセレクションで条件設定していることもあるかと思いますが、関東大学リーグ一部でプレーするには国体選抜レベルの技術、持久力、戦術理解力が必要なことがあらてめて浮き彫りになりました。

ただ、関東大学リーグ二部に視点を移すと東京出身者65名の中に都立高校サッカー部出身者が15名いることを見落としてはいけません。

例え強豪校に所属してなくとも、しっかりした基本技術と志があれば、大学だけでなく地域リーグも含めて上のカテゴリーに挑戦することは可能です。

まずは地域選抜に選ばれるようがんばって、そこで思い切り目立ってみましょう。

しかし、こう見るとJリーガーとは技術、戦術理解力、持久力、体幹強度そして「運」がみな揃った選ばれし凄まじい人たちであることがよーくわかりました。小学生の子供達に軽々しく「プロ目指そう」などど言えなくなりました・・・

2006年9月 1日 (金)

サビオラの衝撃~2001ワールドユースより~

見聞録といいつつ、実際に生で「見」してませんが生で「見」した方のお話を「聞」したので、記しておこうと思いました。

この大会は前田選手(ジュビロ磐田、暁星高校卒)が出場した大会で他には駒野選手(サンフレッチェ広島)や飯尾選手(アビスパ福岡)が代表として参加した大会です。優勝は皆さんご承知のとおりアルゼンチンです。

他にはアスレチックプレイヤーを擁するドイツ、フランス、ガーナ、ブラジルに、ハイプレッシャーを避けるためにワイドに開いて展開するオランダなどが参加しています。

この中で特にすごかったのがアルゼンチンのサビオラで、もちろん得点王(11得点)ということもありますが、その判断の早さと的確さ、シンプルな技術、守備の意識の高さが群を抜いていたそうです。

日本サッカー協会技術委員会もきちんと分析してテクニカルレポートを出してますが、そこの総括では日本とファーストランクの国との差を高度な技術・戦術にあるのではなく、「技術的・戦術的な基本の差」と位置付けました。

そして「何を指導すべきか、何を習得させるべきかという考えから、どのようなレベルでトレーニング・試合を経験させればいいのかへ考え方を移行すべきである」という指導における新しい方向性を導き出し、課題としてハイプレッシャー下でのトレーニングの工夫ハイプレッシャー下での厳しい試合のできる大会創出をあげて結んでいます。

大会創出は協会に任せるとして、「ハイプレシャー下でのトレーニング」で向上すべき能力をまとめますとレベルアップポイントは早い判断とギリギリ直前でも判断を変えることのできる柔軟性フィジカルコンタクトを受けている時のブレない技術の発揮プレーヤーのフィジカルそのものコンタクトスキルと言えます。

また、練習自体に「時間軸」を導入するのも必要です。短い時間で何かをするには効率よくやらなければならず、効率よくやるには周りを見てシンプルにやる必要が出てきますが、シンプルにやるには基本技術をきちんと習得していなければなりません。

日本人とさして体格の変わらないサビオラがこの大会で示してくれたこれらのことをもう一度思い出し、5年経った今、Jリーグ、日本代表とユース代表、そして高校年代のゲームがどうなってるかを見ていきたいと思います。

2006年8月12日 (土)

全日本少年サッカー決勝

今日は全日本少年サッカー大会決勝を見ました。JFA公認指導者研修会のカリキュラムです。

ゲームは1-0で横浜Fマリノスプライマリーが勝って3連覇を成し遂げました。Img_0217

写真はFマリノスの大型FW宇佐美選手のヘディングシーンです。

パッと見では中学生です。とても小学生とは思えません。

この後JFAハウスに移動して研修会がありました。講師は池内JFAナショナルトレセンコーチです。愛知高校で冬の選手権に出場しましたね。私は覚えてます。

さて、研修ですが私は以下のポイントを押さえました。

動きながら、またプレッシャーの中での正確なボールコントロール技術

判断材料を持った上でのドリブル

ボールへの積極性(もっとボールに寄る

持久力(攻守にわたって長い距離を走る)

プレーしたら止まらない習慣

何れもいろんなパスコースを増やす面白いサッカーには不可欠ですね。

そしてこの実現を担保するのが『蹴る』『止める』といったプレーをおろそかにしない、つまり基本の反復練習ということです。

最後に、30年の歴史は本当に関係者の皆様の努力の賜物です。素晴らしい決勝の舞台となった西が丘サッカー場を掲載します。

Img_0205

2006年7月22日 (土)

横河武蔵野vs佐川急便東京

Img_0027

久しぶりのJFLだったのですが、かなり刺激的なゲームを見てしまいました。

流れはあっち行ったりこっち行ったり、ゴール前攻防のシーンも多く、しかも点の取り合い。

たくさんゴールシーンがあってしかも一方的でない内容。子供達にはたまらないゲームでした。

前半横河がループで先制するも、佐川急便東京も11番元大宮アルディージャの大沢選手の活躍で同点。

そして1-1で迎えた後半、打ち合いになります。

2点目は佐川急便東京が入れてリードしますが、横河も執念で2-2の同点にします。

ここからホームの横河が勝つために前がかりになりますが、逆に佐川急便がカウンターを仕掛け、立て続けに2点を奪います。

これで2-4。

しかし、ホームでの声援を受け、横河は後半ロスタイムに1点返します。ここで終了のホイッスル。

佐川急便東京が4-3で勝ちました。

横河武蔵野の小林(陽)選手を中止とした攻撃は迫力がありました。

ただ、速攻と左右に揺さぶられたときにマークがずれてフリーの選手を作ってしまう場面が多く、失点はほとんどこのパターンだったと思います。

ホームの横河にフォーカスした日記になりましたが、高校時代に帝京のエースだった大沢選手の活躍がとても印象に残りました。

再びJの舞台で活躍してくれるよう応援していきたいと思います。